先進事例紹介
CASE.05
子どもたちと創る、次世代エンターテインメント&アートイベント
空飛ぶクルマの研究開発、産業用ドローンの製造・販売、プログラミング体験などの教育プロジェクトなどの事業を展開するFPV ROBOTICS株式会社。これまでの知見を活かした新たな挑戦として、プロジェクションマッピングを活用し、子どもたちがプログラミングやアートを体験できる教育イベント「FUTURE ART TOKYO」を実施しました。2023年は東京都庭園美術館、2024年は三井ショッピングパーク ららぽーと豊洲を舞台に、地域の子どもたちと協働しながら、学びと表現が交差する機会を創出。プロジェクションマッピングと教育プログラムを組み合わせ、子どもたちが楽しみながら社会やテクノロジーに関心を持つきっかけを提供した取り組みを語ってもらいました。
実施団体:FPV ROBOTICS株式会社
エリア:2023年 東京都港区 東京都庭園美術館 / 2024年 東京都江東区 三井ショッピングパーク ららぽーと豊洲
実施時期:2023年、2024年

教育×プロジェクションマッピングで実現する、新しい体験づくり
今回の採択事業でFPV ROBOTICS株式会社が重視したのは、プロジェクションマッピングを“鑑賞するもの”に留めず、子どもたちが主体的に関わり、楽しみながら学べる場へと拡張することでした。
「プロジェクションマッピングは、直感的に楽しめる視覚表現です。子どもたちが参加できる教育プログラムと掛け合わせることで、体験としての厚みが出ると考えました」と担当者は語ります。
また、東京都のプロジェクションマッピング促進支援事業を知ったことが実施の後押しになったといいます。 「インターネットで調べている中で支援事業を知りました。要件の中に『インバウンド観光客へのナイトタイム観光の訴求』といった観点もあり、当社が望んでいた『幅広い来場者に開かれた体験づくり』の目的にも合致すると感じました」。

その場所ならではの魅力を活かした企画づくり
企画は、都内でプロジェクションマッピングを実施できる場所の選定からスタートしました。投影する建物の特長や周辺環境など、クリアすべき条件は多岐にわたります。
「いくつかの候補が上がりましたが、東京都庭園美術館さんがちょうど開館40周年のタイミングでご承諾いただけることになりました。建物が象徴的でデザイン性も高く、日本建築や美術作品をデザインモチーフにして、そこに近代的なデザインを加えていく。40周年というセレブレーション的な内容に仕上げるというコンセプトをイメージすることができました」と振り返ります。 さらに重要だったのが地域との連携です。
「地域の子どもたちに参加いただく教育的な要素を企画しました。美術館側もワークショップなどで子どもたちを呼び込むことを重視されていたので、この企画を快諾いただけました」。


子どもたちとのコラボレーションで広がる可能性
2023年の東京都庭園美術館では、同社が展開してきた「ドローンインパクトチャレンジエディケーション」という教育プログラムと連携しました。
「小学生に向けたプログラミング授業の実習で、LEDがついた転がるボール型のロボットをタブレットでプログラミングして動かすんです。地面では子どもたちがプログラミングしたロボットが動き、壁面ではプロジェクションマッピングが展開されるという演出で行いました」と担当者は説明します。
学校の先生や保護者、そして約60人の子どもたちが参加。プログラムを通じて、子どもたちにデザインやプログラミング、クリエイティブに興味を持ってもらえたことはもちろん、美術館側にとってもメリットは大きかったといいます。
「美術館でのワークショップに参加することで、ここがお子さんや親御さんにとっての馴染み深い場所になります。これを機に、地域の美術館に足を運んでもらえるきっかけになったのではないでしょうか」と語ってくれました。 2024年のららぽーと豊洲でも前年の知見を活かし、子どもたちにプロジェクションマッピングのアニメーションコンテンツをワークショップとして作ってもらい、それを『光の惑星』というスペースに並べた球体に投影しました。参加した子どもたちやご家族が、自分の作品を見に来場してくれるという集客効果もあったそうです。

助成金活用と施設のニーズがマッチした好例
2023年のプロジェクトは、プロジェクションマッピングへの助成金交付決定から約半年という短い準備期間で、場所選定、企画立案、コンテンツ制作、運営準備まで、ほぼ社内で対応したといいます。
「短い期間でしたが、教育プログラムとプロジェクションマッピングを組み合わせる構成を早い段階で固められたことが、大きかったと思います」と成功の要因を語ります。
広報活動ではSNS、駅広告の出稿、チラシの配布などを実施。ワークショップで関係のできた学校の先生がお子さんと連れて訪れてくださるという、嬉しい思い出もあるそうです。
制作面で最も苦労したのは、明るさの調整でした。特に2024年のららぽーと豊洲では、商業施設特有の課題に直面しました。
「施設の明るさで、どうしても映像が見えづらくなってしまうんです。真っ暗でやるのが一番綺麗に映るんですけど、営業している店舗があったり、他のイベントも同時開催していたりするので照明を消せない。そこはできる限りの技術で対応しました」。 またテナントへの配慮も必要でした。
「壁面に向けて映像を投影しますので、入居されるテナントさんが光を浴びる形になってしまう。ららぽーとさんに調整をしていただき、各店舗にご理解いただきました」と関係各所の協力に対する感謝を述べました。


SNSでの反響と、確かな手応え
2023年は1,115人、2024年は1,600人(ワークショップ参加者は含まず)を集客することができました。実施後の反応も良く、SNSには「すごく良かったよ」というコメントが多く見られたそうです。また施設側で実施したアンケートでも「再訪問したい」という声が寄せられ、イベント後の施設の集客にも寄与できた実感と今後への手応えを感じたそうです。
子どもたちへの教育的効果、地域とのつながり、そして施設のブランディングという多面的な価値を生み出したプロジェクトとなりました。

プロジェクションマッピング×教育で、新しい学びと体験を
今後も、インバウンドやナイトタイムの集客につながる場所で、子どもたちが楽しみながら学べる体験を広げていきたいといいます。
また将来的には、同社の主力事業であるドローンの知見も活かし、ドローンとプロジェクションマッピングを組み合わせた新しいエンターテインメントにも挑戦してみたいと展望を語ります。実現に向けては、表現面だけでなく安全面の検討や準備期間の確保が欠かせないため、段階的に検証を重ねながら、より大きなスケールの企画を目指していきたいとのことでした。
※助成対象経費等は各年度に制定されるプロジェクションマッピング促進支援事業助成金交付要綱及び募集要領をご確認ください。
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