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先進事例紹介

先進事例紹介

CASE.02

区民とともに作ったコンテンツを投影し、街のランドマークとの別れを感動的に演出

中野区のランドマークとして、長く親しまれてきた複合施設『中野サンプラザ』。建物の老朽化や中野駅周辺の再開発を背景に2023年7月に閉館しましたが、その解体を前に区民とのお別れのイベントとして、区民からのメッセージやアート作品を盛り込んだプロジェクションマッピングを実施しました。 ここではプロジェクションマッピングの実現に向けて奔走した、中野区 区民部 文化振興・多文化共生推進課の皆さんに、実施当日までの日々や、これからの計画などを語ってもらいました。

実施団体:中野区
エリア:東京都中野区
実施時期:2024年

区民参加型芸術プロジェクトのデジタルセクション

中野区は、基本構想で目指す「人と人とがつながり、新たな活力が生み出されるまち」を実現するため、2022年に区民が地域への親しみを感じるモチーフを壁画として描く「中野ミューラルプロジェクト」を開始しました。遊び心あふれる文化芸術を日常かつ身近に感じる活動に取り組み、まち全体に賑わいを創出することを目指しています。

今回のプロジェクションマッピングも、この取り組みのデジタルセクションとして企画されました。中野区のランドマークとして区民に長く親しまれてきた『中野サンプラザ』の存在と功績を、光の芸術による美しい記憶とともに未来に引き継ごう——。そんな思いを込めて、区民も制作に参加するスタイルにより、中野サンプラザを光のメッセージで彩るプロジェクトの準備が始まりました。

イラスト作成のワークショップ、商店街回遊イベントを企画

中野サンプラザの閉館を惜しむたくさんの区民にイベント当事者として参加してもらうため、映像の一部に区民が描いた絵やメッセージを挿入することを企画しました。使用する作品は、区民からの直接応募のほか、「ナカノアートノート」と題したイラスト作成ワークショップを実施することで、数多く収集することができました。

また近隣の商店街内からは、バナーやポスター掲出などによるPRの協力が得られました。さらにイベント開催時には、プロジェクションマッピング会場から商店街内に設けられたチェックポイントを回遊するコラボキャンペーンも企画して、駅周辺地域への人の流れを作り、経済波及効果を高める取り組みを行いました。

様々な方式による財源確保により、運営資金の負担を軽減

運営資金の確保については、東京観光財団の「プロジェクションマッピング促進支援事業助成金」を活用するほか、ふるさと納税やクラウドファンディングにより資金を募る方法を積極的に活用しました。これにより、一般財源からの支出を極力減らすことができました。

魅力的な映像により投影後に広がる感動、
周辺地域への経済効果も

イベント関係者の熱意や区民の支援により、中野サンプラザの特徴的な三角形の形状をモチーフにした幾何学模様のグラフィックと、多くの区民の手によるアート作品が交錯する、メッセージ性豊かなプロジェクションマッピングを実現することができました。

区民からのメッセージを、サブカルチャーを彷彿とさせる「感謝の弾幕」から美しい花が咲き誇る桜の木へと変貌する圧巻の映像を織り交ぜ、約7分間の感動的な映像作品は締めくくられました。

詰めかけた約69,000人の観客の皆さんからは、投影終了後の一瞬の静寂の後、拍手とともに「ありがとう!」の歓声があがりました。思い思いに余韻に浸りながら、長く「区の象徴」として愛された施設へ想いを寄せているようでした。

また投影の合間には、ステージ上で各商店街をPRするイベントを開催しました。区内の芸能事務所にご協力いただき、著名な声優がイベントMCを務めるクオリティの高い内容となりました。さらには計画していた商店街の回遊イベントも盛り上がり、多くの参加者が駅周辺の飲食店でイベントの感想を語り合う光景が見られました。

終了後のアンケートやSNS上では、9割以上から高い評価を得ることができました。コンテンツの内容、投影時間ともに、満足度の高いイベントになったと思います。

会場周辺の交通事情を
綿密にシミュレーション

イベント実施にあたっては一部交通規制が必要であったため、関係者との調整に苦労しました。交通量の激しい駅前の道路を封鎖し、路線バスの乗降箇所や折り返しポイントを移動する必要があるなど、当日の交通への影響が懸念されました。そこで実施に際しては、交通事情のシミュレーションを繰り返し、綿密な計画を策定することで、警察署やバス事業者の理解と協力を求めました。
特に路線バスの停留所の移動に関しては、複数のバス会社の運行に影響を及ぼすこと、さらには所轄の警察が変わることから、慎重に交渉・準備を進める必要がありました。しかし日頃から良い関係性を構築していたことが功を奏して、大きな混乱を招くことなく運営することができました。

映画上映とのハイブリット企画も模索しています

中野サンプラザでのプロジェクションマッピングの経験を活かし、駅近くの「セントラルパーク」と呼ばれる芝生スペースに寝転びながらビルに投影した名作アニメーション映画を鑑賞する『中野チルナイトピクニック』というイベントを、同年夏に開催しました。区内に本社を構える映像製作会社やキャンパスがある大学とコラボレーションし、多くの協力者、参加者とともに「自分たちの街を愛する、街を自分たちでつくっていく」という気運を盛り上げるイベントとして成功したと思います。今後は例えば映画上映とプロジェクションマッピングの投影を組み合わせた、ハイブリッドなイベントなども開催できればと考えています。

CASE.01

イルミネーションとプロジェクションマッピングを融合させた、立地を活かしたエンターテインメントを実現

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